喧嘩しました 蛇足






喧嘩をしてた2人が仲直りをして。
ベッドの上でいいムードになった恋人達に何も無いわけはなく。

「あの・・・っ、カカシさんっ?」
イルカを抱きしめる腕を強めて着ている浴衣の上からその体を弄りだすと、イルカが慌てたような声をあげる。
(ごめんなさい)
心の中で謝って、「いい・・・?我慢できない」と耳元で囁く。
多分、嫌だと言われても止めてあげられない。心と体がイルカを求めて荒れ狂っている。
頬に片手を滑らせて耳元の髪に指を絡ませる。
額をこつんと合わせて目を合わせれば、潤んだイルカの瞳にもカカシと同じように狂おしいモノが見て取れて、堪らなくなったカカシは目を細めた。
そんなカカシに、イルカも微かに頷いてくれて。
(ゴメンね)
焦る指を叱咤しながら、ばさばさと急いで忍服を脱いでいく。
その合間に、真っ赤になってこちらを見つめるイルカの額や頬にちゅっちゅっとキスを落とす。
装備を全て外し上半身裸になったカカシは、しなやかな筋肉のついた腕を伸ばし、イルカの後頭部をその黒く艶めく髪ごと掴みしめると、顔を寄せた。
「カカシさん・・・っ」
「もう黙って」
余裕なんて全くない声が出て、ちっと舌打ちしそうになる。
微かに開いている唇の隙間から舌を滑り込ませイルカの舌に巻きつかせて吸い上げる。
「・・・っ、んぅっ」
聞こえてくる荒い呼吸音とぴちゃという互いの舌がたてる水音、イルカの甘い声、自分の煩い程に高鳴った心臓の鼓動。
それらを聞きながら、中で荒れ狂う炎をますます燃え上がらせる。
身を焦がすその熱をイルカにも与えるかのように、くちゅくちゅと音がするくらい舌を蠢かせると、イルカの両手が背中に回ってぎゅっと抱きつかれた。
(・・・ッ!)
抱きつかせたままイルカをどさりとベッドに押し倒して上に圧し掛かる。
「ゴメンね。余裕、ない」
その言葉と共に荒々しくイルカの浴衣の襟を掴みがばりと肌蹴る。
現れた肌に唇で触れながら昂ったモノをぐいぐいとイルカのソレに押し付けた。
「あッ・・・、だ・・・めっ」
羞恥に頬を染め、与えられる強い刺激に手を突っ張り身を捩るイルカを許さず力強く抱き込む。まるで挿入しているかのように腰を動かせば、イルカの目じりから涙が零れ頬を伝った。
(ごめんなさい)
それを唇で吸い取りながら、もう何度目になるか分からない謝罪の言葉を心の中で呟く。
「好き。大好き」
謝罪はきっとイルカを困らせてしまうから、代わりに赤くなった耳に愛を囁く。
「イルカせんせ・・・っ、好き。愛してる」
こんなありきたりな言葉しか出てこない自分に、もどかしさを覚える。
でも。
そんなカカシの言葉に、イルカが荒い息の下、
「おれも・・・っ、す・・・きっ・・・」
なんて微かに笑みまで浮かべて嬉しい言葉をくれるから。
また泣きそうになってしまう。
我慢できなくなって、ベッド脇に置いたポーチの中から軟膏を取り出し蓋を口に咥えて開ける。
脚を腕に抱え上げて、再度心の中で謝って。
指に掬い取った軟膏をべったりと蕾に塗り込め、ぬるりと中にも軟膏を纏った指を突き入れると、イルカの口から嬌声があがった。
「あ、ああっ!」
勝手知ったるイルカの中。イイところを焦らす事無く弄るとイルカの体が跳ねた。
慣れた体はすぐに綻んで。
指を抜くと、急いでズボンの前を寛げて突き入れようとした。
が。
(入んない・・・っ)
焦りと、滑る軟膏で照準が定まらない。
何度も何度も切っ先がずれて、ますます焦りが募る。
そんな事を繰り返してたら、イルカが大きくはぁと溜息をついた。
もしかして、呆れられた・・・?
「・・・ちょ・・・っと、・・・」
イルカが体を少し起こしてカカシの胸を手で軽く押し上げてくる。
ホンキでまた泣きそうだった。
情けなさ過ぎて。
体を起こして背を丸めてへにょと眉尻を下げて。イルカをそっと伺う。
浴衣を肌蹴て、気だるげに身を起こしてこちらを見つめてくるイルカはもの凄く艶めいていて。
臨戦体勢のモノがぐんとまた大きくなる。
いい所で止められたモノが苦情を訴えてくるが、それどころじゃない。
ぐずぐず泣いたり、焦ってうまく出来なかったり。
今日のカカシは、イルカに捨てられてもおかしくないくらい情けない。
(捨てられたらどうしよう・・・っ)
どんどん落ち込んで、俯いていたら。
イルカの手が視界に入った。
その手がカカシのモノを握る。
「ッ」
ハッとして顔を上げたら、もの凄く近いところにイルカがいて。
肩にもう片方の手が置かれ、軽く押されて慌てて片手をついた。
「俺、が・・・挿れます」
恥ずかしそうに目を伏せて、カカシの体を跨ぐ。
モノに手を添えたまま体をゆっくりと下げるイルカに、カカシは何故か切なくなって眉根を寄せた。
「あ・・・」
中は熱くて、いやらしく絡み付いてきて。
いつもより感じているのか、締め付けがキツイ。
つい我慢出来ずに、腰を片手で掴んで下から突き上げ始めた。
「ああッ!」
髪を振り乱し綺麗に仰け反る体をぎゅっと抱き締める。
「好き過ぎて死にそう・・・」
熱いイルカの中に包まれて。
イルカの優しさに包まれて。
悲しいわけでもないのに涙が出る。
それも優しく唇で拭われて。
堪らなくなったカカシは、精を迸らせるイルカと一緒にイルカの中へと想いの丈を吐き出した。


「はい。あーん」
イルカはベッドの上でカカシから朝食を食べさせてもらっていた。
昨夜、仲直りして。盛り上がってしまった2人は散々致してしまい。
当然の如く起きられなくなったイルカを、カカシがアカデミーに休みの連絡の式を飛ばしたり朝食を作ってくれたりと、甲斐甲斐しく面倒を見ているのだ。
あーんと口を開けて入れられた、甘くしてくれた玉子焼きに舌鼓を打つ。
カカシが作ってくれた食事はどれもイルカの好みの味付けで。
隣には、イルカが昨夜カカシの為に作っておいた秋刀魚の塩焼きと茄子の味噌汁を、美味しそうに食べるカカシがいて。
(しあわせ)
もぐもぐと玉子焼きを咀嚼しながら、イルカはふふと笑みを浮かべたのだった。





いっそ捨てちゃえばいいのにとか思うこの頃w





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