二人羽織り 後編 イルカの肩が、張り出した骨の辺りまで露出している。 喘ぎ揺れているその肩がしきりに震えるのは、カカシがイルカのピンと尖った突起を、もう布越しではなく直接、その指の腹ですり合せるように絶え間なく刺激しているからだ。 「も・・・、そこ、ばっかり・・・っ、ゃだ・・・っ」 イルカの立てた膝が、カカシの手が動くたび、もどかしそうに擦り合わされる。 「ココはイヤなの・・・?じゃあ・・・、今度はどこに触って欲しいか言って?」 お仕置きはしない予定でいたのだが、可愛らしく恥らうイルカについつい意地の悪い言葉が出てくる。 言えないと首を振るイルカがカカシを少し振り返り、その潤んだ瞳で、もう許してと縋るような視線を向けてくる。 だが。 「ん・・・?なぁに?」 カカシは笑みすら浮かべて、イルカのその願いを却下した。 (だって、ねぇ・・・?) 今、カカシの視界に映るイルカの姿は、それはそれは扇情的だ。 浴衣を背中まで肌蹴て、その艶やかな肌を汗ばませ、高い声で喘いでいる。 イルカの黒髪が汗で張り付くうなじは、とてつもなく艶っぽくて。 「もう・・・っ、お願い、ですから・・・っ」 真っ赤な顔で熱い息を吐くイルカに、涙の滲む瞳でそうお願いされたりしたら。 (苛めたくなっちゃうよねぇ) 男なら苛めたくなったとしても、仕方がないだろう。 それに。 イルカの口から、カカシを求める言葉をもっと聞きたい。 「・・・どこに触って欲しいかちゃんと言ってくれたら、いっぱい触ってあげるよ・・・?」 そう言いながら、カカシはイルカの立てた膝へゆっくりとその手を伸ばした。 浴衣の裾が肌蹴て引き締まった太腿が際どい部分まで露になっているその足を、ゆっくりと、浴衣の奥の方へと指先でなぞっていく。 「あ・・・、ぁん・・・っ」 カカシの指先が奥へと向かう様を俯いて見ているらしいイルカが、その身体を期待に震わせる。 だが、カカシはあと少しという所でその指先を、元の方向へと切り返した。 「あ・・・っ、ゃだ・・・っ」 途端に上がるイルカの強請るようなその声を聞いたカカシは、イルカが俯いているのを幸いに、イルカのうなじを熱い眼差しで見つめているその顔に卑猥な笑みを浮かべた。 こんな顔、イルカにはとてもじゃないが見せられない。 「何がイヤなの・・・?」 「・・・っ」 カカシのその問いかけに、強請るような声を出していたと気付いたらしいイルカが息を呑み、言えないと焦ったように首を振る。 「言わないと、ずっとこのままですよ・・・?」 イルカの真っ赤に染まった耳の先を軽く噛み、舌先で弄りながらそう囁くと、イルカの震える手がカカシの腕に掛かった。 「カ、カシさん・・・っ」 「ん・・・?」 少し振り返り、何か言いたげに唇を震わせているイルカの口元に耳を寄せる。 ぎゅっと瞳を閉じたイルカが、小さな小さな声で、自らの願いを口にした。 「・・・って・・・っ」 告げられたその内容に、カカシの顔にうっそりと笑みが浮かぶ。 「・・・ん。・・・イイ子だ」 ようやく素直になったイルカを褒め、カカシは太腿に置いていた手を下へと滑らせた。 今ではもう。 座っているカカシの肩に頭を預けるようにして、その身体を少し下へと滑らせたイルカの全てが、カカシの視界に映り込んでいた。 着ていた浴衣は殆ど肌蹴て汗ばんだ肌を露出しているし、ピィンと勃ちあがった胸の可愛らしい突起や、卑猥な形をしたものまでカカシの右目に見えている。 見えないのもなかなか良いものだと思っていたが、やはりイルカのこんな痴態は、この目でしっかりと見て楽しんだ方が良い。 特にこの体勢。 カカシだけでなく、イルカも同じものが見えているはずだ。 「・・・凄いね。いっぱい蜜が溢れ出してくるよ・・・?」 イルカの耳元でそう囁きながら、カカシはその先端にたっぷりと纏わりついている美味しそうな蜜を指先でくるくると撫で回した。 「んぁ・・・っ」 ぎゅっと瞳を閉じたイルカが身を捩るのを見て、イルカの耳朶を口に含む。 「ほら。ちゃんと、見て・・・?あなたのここは、凄く可愛らしいんですから」 カカシからそう言われたイルカが、閉じていた瞳をそろそろと開けた。 「あ・・・」 イルカが身体を震わせる。 (見てる) イルカが、自らの隆起した欲望を見ている。 カカシの指先がイルカの先端から根元までゆっくりと撫でる様を、その黒く輝く瞳でじっと見ている。 カカシはその表情を熱い眼差しで見つめながら、イルカの雄を掌で握り込んだ。 「ぁん・・・っ」 高い声で啼いたイルカが、ぎゅっと瞳を閉じる。 その瞬間、カカシは握り込んだその手をあっさり離した。 「あ・・・っ」 パッと瞳を開けたイルカが強請るような声をあげ、きゅっと眉を寄せたイルカが、どうしてと潤んだ瞳を向けてくる。 そんなイルカに小さく笑みを浮かべて見せると。 「ダメだよ、ちゃんと見てなきゃ・・・」 カカシはそう言って、視線でイルカを促した。 くしゃりと顔を顰めたイルカが、泣きそうな顔をしながらも、その視線をゆっくりと下へ向ける。 それを見ながら、カカシは再度イルカの欲望を握り込んだ。そうして、ゆるゆると扱き始める。ゆっくりと、そして、徐々に早く。 「あ・・・っ、あっ、やだ・・・、あ・・・っ」 イルカが、カカシに扱かれる自らの欲望を見つめながら喘ぎ始める。 視線を逸らしたいだろうに、カカシがイルカの視線が少しでも逸らされようものなら、扱くその手を緩めるものだから、イルカは瞳を閉じてしまいたいのも堪え、自らの欲望が扱かれているのをじっと見つめているのだ。 (たまらない・・・) 恥じらいながらもカカシの言う事を素直に聞き、カカシの手に無防備に身体を預けるイルカにたまらなく感じる。 疑いようもない。 カカシは、イルカに愛されている。 全身でカカシを求めるイルカの姿を見て、カカシの痛んでいた心が癒されていく。 「あ・・・っ、俺、もう・・・っ」 もうイきそうなのか、イルカの手が背後にいるカカシへ縋るように伸ばされ、胸元の浴衣をきつく握り締めてくる。 「・・・ん、いいよ。いっぱいイって・・・?」 イルカの身体を抱き直したカカシはそう囁きながら、扱くその手をきつくし、そして、さらに早めた。 「ぁあッ!あ・・・ッ、ぁんっ」 身を捩りながらも、カカシの言いつけを守ってそこから視線を逸らさないイルカを見て、カカシはたまらずくっと眉根を寄せ、そんなイルカの唇を荒々しく塞いだ。 「んぅ・・・っ、んん・・・ッ!」 舌を強く吸い上げた途端、イルカの先端から精が勢い良く迸る。 吐精にビクビクと身体を震わせているイルカをシーツに沈め、その足を開かせると、カカシはイルカの精で濡れた手を期待にひくつく蕾へと伸ばし、そこに触れた。 「あ・・・っ、は、やく・・・っ」 強請られるがまま、性急にそこを解していく。 そうして、慣れた蕾が花開いた頃、痛いほどに猛った自らの怒張を取り出したカカシは、イルカの腕に引き寄せられるがまま、中へと突き入った。 その後、カカシの圧力とイルカからの申請もあり、アカデミーの花見の席での余興は他の催し物に変更されたのだが。 その花見当日、イルカはカカシの手によって拉致され、楽しみにしていたアカデミーの花見には参加出来なかった。 だが、カカシが見つけたという綺麗な桜並木の川沿いで、カカシと二人きりの花見の席を用意されてしまったイルカは、それまで突然拉致されて怒っていたのも忘れ、恋人との素晴らしい時間をたっぷりと楽しんだのだった。 |
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