心からの祝福を 番外編 後編 絶頂の予感に身体が震える。 「アア・・・ッ!」 結界が張られ、束の間二人きりになった病室のベッドの上。 カカシの器用な手に猛り切った熱欲を扱かれたイルカは、カカシの肩をきつく掴み締め、身体をビクビクと震わせながら高い嬌声を上げてあっさりと遂情していた。 全てを吐き出し、ハァハァと荒い息を吐きながら目の前のカカシに抱き付く。 (う、そ・・・) いつもよりも早い。それに、吐き出した精も大量だった。 あんなに駄目だと言ったくせに、場所が場所だからだろうか。いつもより興奮してしまっているのが自分でも分かる。それがとても恥ずかしい。 それにだ。 カカシに抱きついたまま、そろそろと視線を下げる。そこにある愚息が精を纏わせてひくひくと息づいているのを見たイルカは、かぁと羞恥に顔を染めた。 (なんで・・・っ?) つい先ほど、あんなに大量に吐き出したはずなのに、イルカの熱欲が収まる気配を見せない。 「凄く興奮してるからだと思いますよ。かわいい・・・」 ふと笑みを浮かべたらしいカカシが、イルカの耳元でそう囁き口付けてくる。 「ゃん・・・っ」 遂情したばかりの身体は敏感だ。 ただでさえ耳元は弱いのに、カカシの熱い舌が敏感になっているそこを舐め始め、至近距離で聞こえる水音にさらに煽られたイルカは身体を震わせた。 カカシが欲しいという気持ちが高まり、カカシの膝の上に乗っているというのに、はしたなく腰が揺れる。 (俺・・・っ) カカシが凄く欲しくて堪らない。 「カカシさん・・・っ」 熱い眼差しで見上げてくるカカシに切なく瞳を眇め、イルカはその唇に口付けた。何度も何度も。 羞恥よりも、カカシを欲しいという気持ちの方が勝る。 カカシの口から零れる熱い吐息すらも欲しい。飲み込むように唇を合わせる。舌を自ら差し出し、吸って欲しいと願う。いやらしく絡めていく。 「・・・イルカ先生・・・」 口付けの合間、イルカの名を呼ぶカカシのその吐息混じりの声にすら身体が震える。 イルカのズボンにカカシの手が掛かる。ぐいと下着ごと下げられ、淫らに揺れていたイルカの臀部があらわにされる。 「片足だけでいいから、脱いで・・・?」 その言葉に操られるかのように、イルカは片足を上げズボンからゆっくりと足を引き抜いた。すぐさまカカシの手がイルカの臀部に伸ばされる。先ほどからひくついて仕方が無い秘孔に、イルカが吐き出した精を纏わせたカカシの指先が触れる。 「興奮してるからかな・・・。柔らかいね。すぐに入りそうだ・・・」 「あ・・・っ、あっ、んぁ・・・っ」 襞を捲りながら、くにくにと秘孔を撫でていたカカシの指先が、イルカの内部にくぷんと入り込む。 久しぶりに与えられたカカシの指を、秘肉が貪欲に飲み込もうとしている。きゅうきゅうとはしたなく強請ってしまう。 「ああ・・・っ」 強請ってすぐ、ずるりと奥まで挿れられ身体が喜ぶ。 (もっと・・・っ) 指じゃ足りない。もっとカカシが欲しい。いつもカカシの逞しいオスを受け入れているイルカの身体が、貪欲にカカシを求める。 「カカシさ・・・っ、カカシさん・・・っ」 切なく瞳を眇め、カカシの名を呼ぶ。カカシの指を咥え込んだまま、カカシに口付けるイルカの腰が僅かに揺らぎ始める。 いつの間にか二本に増やされていたカカシの指を、少し引き抜いては奥へと飲み込む。 今のイルカに自分で腰を動かしているという意識はない。無意識にさらなる刺激を強請っているのにも気付かず、カカシの肩に手を置き口付ける。 「イルカ先生・・・っ」 「ぁん・・・っ」 くっと眉根を寄せたカカシが、指を引き抜く。口から漏れるのは、その指を惜しむ声。 自らのズボンの前を寛げているカカシに口付けられながら、イルカは早く早くと強請ってしまっていた。 「あぁもう・・・っ。お願いだから、そんなに煽らないで。ね?」 口付けを解いたカカシが、イルカを見上げながらきつく眉根を寄せる。何かに耐えるようなその表情は壮絶な色気を漂わせていて、それを見たイルカの身体がさらに熱くなる。 「カカシさ・・・っ」 カカシの事がこんなにも好きだ。そして、そのカカシにとても愛されている事を、イルカの誕生日である今日、改めて思い知らされた。 愛し愛されている今がとても嬉しい。嬉し過ぎて、心も身体もカカシに向かって大きく愛していると叫んでいる。叫び過ぎて辛い。 そんな自分を鎮める方法を、イルカは一つしか知らない。 「・・・抱いて、下さい・・・っ」 カカシに抱いて欲しい。いっぱい愛して欲しい。そして、イルカもこんなに愛しているのだと伝えたい。 「イルカ先生・・・っ」 カカシを見下ろし、抱いて欲しいと言ったイルカの身体を、カカシがきつく抱き締めてくる。腰を捉まれ少し持ち上げられる。 そうして、指を失って淋しがっていたイルカの秘孔に当てられたのは、今イルカが欲しくて堪らないカカシの欲望。 「息吐いてて・・・」 呻るような声でそう告げられ息を吐き出すと、イルカの腰を支えてくれていたカカシの手から力が抜けた。そして。 「アアア・・・ッ!」 イルカの秘孔は、その自重によりカカシの楔をずるずると飲み込んでいった。 いつもより大きい気がするソレを最奥まで一気に含まされ、イルカの身体が驚いている。びくんびくんと震えながら衝撃に耐えているイルカの背を、カカシの手が宥めるように擦ってくれる。 「・・・だい、じょうぶ?」 すぐにでも快楽に耽りたいだろうに、イルカの身体を気遣ってくれるカカシの優しいその声が好きだ。少し身体を離したイルカは小さく笑みを浮かべると、「は、い・・・」と頷いた。 ふと笑みを浮かべたカカシの手が伸ばされ、イルカの頬を擽る。引き寄せられ、ちゅっと軽く口付けられる。 「・・・動いてもいい?我慢出来そうにない・・・」 囁くようにそう訊ねたカカシの熱を孕んだ深い蒼の瞳が、至近距離から見つめてくる。我慢出来ないというカカシのその言葉が嬉しい。 小さく頷き返すと、イルカの腰を掴んだカカシが下からズンッと突き上げてきた。 「あぅ・・・ッ!ぁんッ、あ・・・ッ!」 そのまま、イルカの身体を断続的に突き上げてくるカカシが、きつく眉根を寄せて息を乱し始める。快楽に耽るその姿に堪らなくなる。 「や・・・ッ、ああ・・・ッ!」 イルカのどうしようもなく感じてしまう部分を、その逞しい先端で何度も擦り上げられ、イルカは高い嬌声を上げて仰け反った。 チャクラ切れ寸前にまで陥っていたとは思えない程力強いカカシのその突き上げに翻弄される。 「イルカ・・・っ、イル、カ・・・ッ」 「・・・っ」 カカシの口から不意に零れ落ちた自分の名に、イルカはきゅっと眉根を寄せ、切なく瞳を眇めていた。快楽によるものとは違う涙が、イルカの瞳に滲む。 普段、カカシはイルカの事を呼び捨てにしない。こうして愛してくれている時、余裕が無くなったカカシがそう呼ぶ自分の名が、イルカは堪らなく好きだ。 「好き・・・っ、んぁ・・・っ!カカシさ・・・っ、す、き・・・っ」 心の中でもカカシを好きだと想い、嬌声の合間に声でも伝える。 二種類の声で伝えても、この想いを伝え切れているかどうか分からない。それくらい、イルカはカカシの事が好きだ。 イルカの中からカカシへの想いが溢れ出し、絶頂の予感が一気に近付く。 もう少しこの幸せを味わっていたいのに我慢が出来ない。吐き出したいという欲求に勝てない。 カカシの身体を挟み込むイルカの内股が痙攣する。絶頂はすぐそこだ。でも。 (一緒に・・・っ) そう願うイルカが、背中を丸め遂情の時を引き伸ばそうとしたその時。 「イ、ルカ・・・っ、愛してる・・・ッ!」 耳元で聞こえてきたその言葉に壮絶な欲求に襲われたイルカは、堪らず精を迸らせていた。 「・・・ッ、アアア・・・ッ!」 「く・・・ぅ・・・ッ!」 間を置かず、イルカの最奥にカカシの熱い精が注がれる。 それを感じた瞬間。 イルカは、胸を覆っていく幸せな疼きに涙が溢れ出すのを止める事が出来なかった。 |
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