泣きじゃくるあなたを、カカシが優しく慰めます
6.恥ずかしくて






イルカの家に着くなり、カカシはイルカの手を引いて寝室のベッドへと直行した。
緊張している様子のイルカを、そっとベッドに座らせ、その隣にカカシも座る。
カーテンの開け放たれた寝室の窓から、まだ激しい雨が降り続いているのが見えて。
少しだけ薄暗い室内に、激しい雨音に混ざって、二人の口付ける音が響き始める。
「ん、・・・んぅ・・・っ」
それに、イルカの少し苦しそうな、甘い吐息。
うっすらと目を開ければ、真っ赤になってぎゅっと目を閉じているイルカの、目尻に浮かんだ涙が見える。
可愛いと思う。
愛しいと思う。
そして、欲しいと思う。
こんなにも可愛いイルカを、自分のものにしたい。
深かった口付けを解いて、ちゅっちゅっと真っ赤な顔に口付けながら、イルカのベストと装備を脱がせていく。
恥ずかしいのか、少しだけ抵抗を見せるイルカに、「大丈夫」と囁いて。
自らのベストも脱ぐと、カカシはイルカのアンダーの裾から中にスルリと手を滑り込ませた。
「あ・・・っ」
イルカに軽いキスを続けながら、肌を擦るカカシの手が移動するたび、イルカが顔を染め身を捩る。
息が徐々に上がり始める。
カカシが触れるたび、震える身体が愛しい。
「イルカ先生、震えてる・・・。怖い・・・?」
怖がってはいないと分かっているくせに、耳元で低く甘くそう訊ねると、カカシのその声にも感じたのか、首を竦めたイルカがカカシから顔を逸らした。
そうして、小さく首を振る。
「恥ずかし・・・くてっ、あ・・・ッ」
その可愛らしい返事と。
目の前に現れた綺麗な首筋に舌を這わせた途端に漏れる、イルカの甘くて高い声にふと笑みが浮かぶ。
「かわいい・・・」
かぁと真っ赤に染まったイルカの首筋にちゅと口付けながら、そっとベッドへと横たえ、上に伸し掛かり、息を乱すイルカを見つめる。
「ねぇ、イルカ先生」
カカシの呼びかけに、イルカがきつく閉じていた瞳をうっすらと開ける。
「今日、泊まってもいい・・・?」
イルカがかぁと赤くなる。
雨が降り続いていて少し薄暗くはあるが、まだ外は明るいのに。
こんなに早い時間にそんな事を聞いたのは、イルカの意思を聞いておきたかったから。
イルカもこの先を望んでくれているとは思うけれど、きちんと確かめておきたかった。
「・・・いい?」
戸惑っているのか少し視線を泳がせているイルカの、その瞳を覗き込むように少し首を傾げて再度訊ねたカカシを、イルカがそっと見上げてくる。
愛しいというカカシの気持ちが伝わればいい。
どれほどイルカを愛しているのか、イルカを見つめるこの瞳が伝えてくれるといい。
愛しさを込めて見つめるカカシの、そんな想いが伝わったのか。
イルカが、こくんと小さく頷いてくれた。
(ありがとう・・・)
ふわりと笑みを浮かべて、感謝を伝えると、カカシはイルカを愛すための動きを再開させた。


アンダーを捲り上げ、イルカの、健康的に焼けた肌に口付ける。
カカシのものだという証が残るよう、きつく吸い上げる。
「ん・・・っ」
頭上から聞こえる荒い吐息と甘い声を聞きながら、肌の上の唇を移動させ、辿り着いたつんと可愛く尖る乳首へと舌を伸ばす。
くるりと周りを舐めて、それから、ねっとりと舌を這わせる。
軽く噛んだ後舌先で弄ると、イルカが甘い声を上げ、その身体が何度も跳ねた。
(感じやすいな・・・)
初めてで、こんなにも感じてくれるとは思わなかった。
下肢へと手を伸ばすと、イルカがカカシの愛撫に感じてくれている証拠が、そこには存在していて。
ズボンの中できつそうにしている高ぶりを取り出して、根元から先端までススと擦り上げる。
「んッ!んん・・・ッ」
そこにはもう、とろりとした蜜がたっぷりと湧き出ていて、それを馴染ませるようにくるりと撫でると、イルカの身体がさらに跳ねた。
イルカから聞こえてくる声が、全て押し殺されているのに気づいたカカシが見上げると、伏せた瞳に涙を滲ませながら唇をきつく噛んでいるイルカがいて。
「声、我慢しないで。ちゃんと聞かせて・・・?」
乳首を愛撫するのを止め、身体を伸ばしてイルカの潤んだ瞳を見つめながらそう言うと。イルカがふると首を振って拒絶した。
「恥ずかしっ・・・い、です・・・っ」
「・・・大丈夫。聞いているのはオレだけだから。イルカ先生の声、すごくかわいいから聞きたい。聞かせて・・・?」
血が滲むほどになってしまっている唇をペロと舐めてから、舌先でつんつんと突いて開けてと促し、素直に開いた唇の中へと滑り込む。
「・・・ふ、んぅ・・・っ」
舌を吸い上げながら、イルカの高ぶりを扱く。
浮き上がる血管を押し潰しながら、沿うように扱き上げ、先端を指先で擽る。
重なるイルカの唇が、そのたびに戦慄き、こくりこくりと混ざり合った二人の唾液を何度も飲み込む。
「・・・ふ、あっ!ぁん・・・っ」
もういいかな、と口付けを解くと、可愛らしい声が開いたままの唇から出てきて、カカシはふっと口元に笑みを浮かべた。
イルカの瞳が快楽に霞み始めているのを見止めて、気づかれないようそっと、扱く手はそのままに下へ下へと移動する。
そうしてカカシの目の前に現れたイルカの屹立を、カカシは咥内へと招き入れた。
「アアッ!ぃや・・・っ!」
途端に暴れようとするイルカの身体を、きつく吸い上げることで封じ込める。
イルカが震える。
カカシが上顎で先端を擦るたび。
唇できつく挟み込んで扱き上げるたび。
「あ・・・っ、は・・・っ」
喉の奥できつく吸い上げるたび。
ぶるぶると震えて、カカシの銀髪を握り締めてくる。
「ゃ・・・っ、離し・・・て・・・っ」
その言葉に、カカシはイルカを愛撫する舌の動きを激しくした。
イっていい。
今日は何度でも気持ちよくなっていい。
これから先、イルカにはもしかすると苦痛を与えてしまうかもしれないから。
だから。
(イって)
先端をきつく吸ったまま、上顎に押し当てるようにずるりと奥まで飲み込んだ瞬間。
「いやっ・・・アアッ!」
数回に分かれて吐き出されるイルカの苦くて甘い熱を、しっかり受け止めて。
吐き出しきったイルカの、まだ震えている屹立を唇からずるりと抜き、出されたものを自らの掌に吐き出した。
口端から零れた精を手の甲で拭い、ペロリと舐めながらイルカの様子を伺うと、腕で目元を隠して涙を零すイルカがいて。
泣かせてしまった事に心が痛んだが、でも、これからもっと泣かせてしまうだろうから。
(ゴメンね・・・?)
心の中でだけ謝って、カカシはイルカのズボンを剥ぎ取り、両足を抱え上げた。





思いっきり泣かせてしまってゴメンなさい。そして次も泣かせてしまいます・・・。