寄り添う心 7







「え・・・?」
我慢できないと言ったカカシが、イルカの怪我をしている方の足を突然持ち上げた。
(ぅわッ!)
下着を脱がされているイルカは、そうされると浴衣が捲れてカカシの前に全てを晒け出してしまう。
慌てて浴衣の裾で隠そうとするイルカの手を、カカシの手が掴んでシーツに押し付けた。
「・・・っ」
イルカの心は今、羞恥ももちろんあるけれど、それよりももの凄い緊張に占められていた。
カカシはあれほど抱かないと言っていたのに、突然のこの状況に頭がついていけない。
「カカシ先生・・・っ」
混乱しながら、涙目でカカシを見上げると。
「大丈夫。抱かないよ。抱かないけど・・・」
そう言ったカカシが持ち上げたイルカの足を抱き、腰をぐいと押し付けてくる。
「あ・・・っ!」
剥き出しのオスに与えられるその強い刺激に、そして、カカシのオスもイルカと同じように猛っているのに気づいてイルカは驚いた。
「ごめんね?いっぱい気持ちよくしてあげるって言ったけど、出来そうにない・・・」
そう言ったカカシが、片手で自分のモノを取り出してイルカのモノと重ね、そのまま一緒に扱き始める。
「あっ!ん・・・っ、んっ」
触れ合ったところがとても熱い。
濡れ始めていたイルカの先端から、新たな雫が零れて二人の猛りきった怒張を濡らす。
「一緒に、いい?」
少しだけ息を上げたカカシにそう聞かれて、強い快楽に落ち始めていたイルカはこくこくと頷いた。
(嬉しい・・・っ)
一緒にと言われたのが凄く嬉しい。
こうやって、カカシと触れ合っているのが凄く嬉しい。
そして何より、カカシのその声にも表情にも、気持ち良さそうな色がはっきりと浮かんでいるのが嬉しい。
イルカは、カカシが手を動かすたびに身体を襲う痺れに震えながら、そろそろと手を下へと伸ばした。そうして、カカシの手の上に手を添えてきゅっと握ると、イルカも一緒に動かし始める。
「一緒・・・、に・・・っ」
恥ずかしくて、ちょっと笑みを浮かべて羞恥を誤魔化しながらそう言ったイルカに、カカシは一旦手を離し、イルカの手の上から再び握りなおして汗の滲んできた顔にふっと笑みを浮かべた。
「ん。一緒に気持ち良くなろうね」
くちくちと水音がし始める。
イルカがとろとろと零した涙が二人の手まで濡らし始めてきていた。
(すご・・・、濡れてくると気持ちい・・・っ)
「ん・・・。オレも気持ちいいよ・・・」
はぁと心地良さげな吐息を零しながら、カカシが自分の状況を説明してくる。
剥き出しのイルカの胸に微かに当たるその息にも、その台詞にも感じてしまい、イルカはぶるっと小さく身震いした。
「んん・・・っ」
身体中を駆け巡る快感を逃そうと、足がシーツを蹴る。
カカシが痛い方の足を抱くようにかかえあげてくれているから、まだ完治していない足首は痛まなかったけれど、その代わりに、逃げようにも逃げられなくて。
しっかり密着した二人の身体がどんどん熱くなっていく。
互いの身体が同じ熱に侵されて、どこまでがイルカで、どこからがカカシなのかも分からなくなっていく。
「ん・・・っ、は、あ・・・っ、あっ」
はあはあと荒い息の合間に、甘い喘ぎ声がイルカの開きっぱなしの口から漏れる。
イルカの恥ずかしいその声に混ざって、カカシの荒くなってきた息が時々詰まるのが聞こえてきて。
(カカシ先生も、気持ちいい・・・のかな・・・)
霞んできた瞳で見上げれば、そこには、汗に濡れた頬に銀髪を張り付かせて荒い息を吐きながら、熱い眼差しで見つめてくるカカシがいた。
「気持ちいい、よ・・・、凄くいい・・・」
そう言いながら口付けられて、咥内を貪られて。
イルカは懸命にその舌に自分の舌を絡めていった。
(好き・・・。カカシ先生、好き・・・っ)
凄く嬉しくて、カカシを好きだという気持ちで心の中がいっぱいになる。
イルカだけじゃなく、カカシも気持ちよくなってくれているのが嬉しい。
二人で一緒に高みを目指していけるのが嬉しい。
口付けが激しさを増し、カカシの指がイルカの好きな括れを擦り始める。何度も何度も。
(そんなにされたら、先にイっちゃう・・・っ)
カカシと一緒にイきたくて、ぎゅっと目を閉じて襲ってくる快楽から耐えていたイルカに、口付けを解いたカカシが「いいよ」と囁いた。
「そろそろ・・・、オレも、限界だから・・・」
一緒に、イこ?
その言葉と同時に、浴衣の紐をするりと解かれて、前を全て肌蹴られた。
と同時に、カカシの手がぎゅっときつく握り締めてきて、さらに早さを増す。
「んあ・・・ッ!」
肌を晒け出された羞恥に身を捩る暇もなく、身体を襲った強い快感にイルカは顎を反らして仰け反った。
ぐちゅぐちゅと、二人の手と重なった怒張がいやらしい音をたてる。
カカシの、その綺麗な顔から滴り落ちた汗がイルカの胸に落ちてきて、イルカはその刺激にも身体を震わせた。
(イイ・・・っ、どうにかなりそう・・・っ)
身体中が凄く敏感になっている。
「イルカ、せんせ・・・っ」
カカシのその快楽に歪んだ顔も、イルカの名を詰まりながら呼ぶ声も。
今のイルカには高みへと上り詰めていく起爆剤にしかならない。
「んッ!んあ・・・ッ。ぅ・・・っ」
だんだん頭が真っ白になってきて、カカシと一緒にイく事を懸命に願う。
(一緒がいい、一緒に・・・っ)
イルカの頭の中はカカシを想う気持ちでいっぱいで、他にはもう何も考えられなくなってきて。
カカシの手が二人の亀頭に軽く爪を立てた瞬間。
「ぃあッ!」
「・・・っ!」
二人はほぼ同時に白濁を迸らせた。
びくびくと跳ねるイルカの身体に、二人分の体液がびちゃと降り注ぐ。腹だけでなく、胸にまでも。
それすら、敏感になっている今のイルカには強すぎた。
そして、すっかり力が抜けてしまったイルカの代わりに、最後まで搾り出してくれるカカシの手も。
(気持ちよ過ぎ・・・)
絶頂の時の凄さは、今まで感じたどの快感よりも勝っていて。
カカシと一緒だったからこんなにも気持ち良かったのだろうと思う。
くたりと力の抜けた身体をシーツに沈め、はぁはぁとまだ荒い息を吐きながらカカシを見上げれば、少しだけ俯いているカカシもまた息を荒げていて、おまけに、射精後の気だるげな雰囲気を纏っているものだから。
普段の涼やかな顔とは全然違うその表情を初めて見たイルカの胸は、絶頂の余韻とは違う高鳴りを続けていた。
「・・・良かった?」
色香を纏ったままのカカシに視線と笑みを向けられて、かぁと赤くなったイルカはそれでもこくんと頷いた。
そんな素直なイルカに、カカシがちゅっちゅっと顔中にキスをくれる。
「オレも凄く良かった。最短記録、更新しちゃいましたよ」
少し恥ずかしそうな表情を浮かべてそんな事を言うカカシの顔を、ついイルカはまじまじと見つめてしまった。