正しい犬のしつけ方 5






「な・・・ッ」
ドサリとイルカが倒れこんだのは、仮眠室に置かれたベッドの上。
もちろん、つい最近見た事のあるこの展開に呆然としているイルカを、上からがっちりと押さえつけているのはカカシだ。
(また・・・ッ)
慌てて睨み上げれば、カカシのその顔はどこからどう見てもあの時と同じ、色を含んだ表情を滲ませていて。
「何のつもりですか・・・っ」
イルカのその言葉が聞こえなかったはずはないのに、カカシは何も言わずイルカの首筋に顔を寄せてきた。
そうして、犬のように鼻先をベストの首の隙間に潜り込ませ、イルカのアンダーの上に当ててすんすんと鼻を鳴らし始める。
「ッ!嗅ぐ、な・・・ッ」
「・・・だって、いい匂いなんだもん。何だろう、すっごい甘い匂い・・・」
そう言いながら、掴んでいたイルカの両手を頭上に持って行き、懸命にイルカが暴れているのにも関わらず片手で易々とそこに縫いとめると。
その言葉にかぁと赤くなったイルカを、ちらと見上げて、ベストの前を寛がせ始めた。
(まさか・・・っ)
その動きに、思いっきり見覚えのあるイルカが身を捩って「止めろ!」と言う前に。
アンダーの上からカカシがきゅっと、きつく乳首を摘んできた。
「あぅ・・・ッ」
「あ、痛かった?ごめんね?」
突然襲った痛みに声をあげたイルカに、全く悪いと思っていなさそうな声でそう言ったカカシがイルカのアンダーをぐいと捲り上げる。
現れたその肌は、カカシに付けられたキスマークがまだあちらこちらに残っていて。
「オレの付けた痕、まだ残ってるね・・・。あー、こっちは赤くなっちゃってる・・・」
「あ・・・っ」
イルカの肌に残るキスマークを見てニヤと笑ったカカシが、ペロリと摘んだところを舐めてきて、イルカの身体がピクンと震えた。
あの日そこを散々弄られた身体が、まだあの甘い責め苦を覚えているのか、ぷくりと乳首が勃ちあがり始める。
「でも、ほら。・・・勃ってきたよ?」
ねっとりと舌を這わせながら、カカシがふふと笑って楽しそうにそう説明してくる。
さっきまでのしおらしい態度とは180度違う、傲慢な態度。
前回の時もそうだったが、カカシはイルカの身体に触れる時、それまでの大人しい可愛らしい犬から、凶暴な犬へと変化してイルカをいたぶる。
その器用に動く指先で、舌で、そして、言葉でも。
(この・・・ッ)
そんなカカシを思いっきり詰ってやりたい。
反省していたのではないのか。
さっきまでのしおらしい態度は嘘だったのか、と。
だが。
「ん・・・ッ!」
身体が反応しだしていて、口を開くとあられもない喘ぎ声が出てしまいそうで。
くっと唇を噛み締めて、拘束された手に触れるシーツを握り締め、その刺激に耐えるしかイルカには出来なくなっていた。
「・・・この前も思ったけど。イルカ先生、すっごい感じやすいよね。こうやってオレが匂い嗅ぐだけでも感じるでしょ?」
イルカの首筋でカカシがすんと鼻を鳴らす。
そんな事ないとばかりにふるふると首を振ったが、その前にピクンと身体が反応してしまっていたから、多分カカシには気づかれている。
確かにその通りだ。
カカシに匂いを嗅がれると、羞恥と一緒に身体にゾクゾクと快感が走る。
嗅がれるたびに、身体がジンと火照る。
「ずっと嗅いでたらどうなるんだろうね・・・?」
そう言いながら、カカシがすんすんとイルカの身体を嗅ぎ始める。首筋から胸元、それに最も匂いがしていそうな脇までも。
「やめ・・・っ」
恥ずかしい箇所を嗅がれて、身体には少しも触られてもいないのに、イルカの身体がピクンピクンと反応を返す。
ジンと身体が熱くなり、ふ、と甘い吐息がイルカの口から零れ始める。
(何で・・・っ)
同じ男に嗅がれているだけで、どうしてこんなに感じてしまうのか分からない。
「凄い。触ってないのに嗅がれただけでこんなになってる・・・」
相変わらず嗅ぐのを止めないまま、カカシがズボンを押し上げ始めたイルカのモノを擦ってくる。
「んん・・・ッ」
「・・・もしかして、あれからヌいてないの?」
そんな恥ずかしい事を指摘されて、かぁと全身の熱が上がった気がした。
あんなに吐き出した事なんてなかったから、しばらくしなくていいだろうとあれから一度も抜いていなかった。
赤くなったイルカを見てカカシが笑みを浮かべる。
「やっぱりヌいてないんだ。これだけで勃っちゃうくらいだもんね。・・・じゃあ、オレが手伝ってあげるから、また一緒にヌこ?」
いっぱいイかせてあげる。
そんな卑猥な台詞を卑猥な笑みと共に向けられて、イルカはふぅっと気を失いかけた。
が、カカシにすぐに乳首を舐められてそれどころではなくなる。
「んん・・・ッ」
この仮眠室は受付所のすぐそばにあるから、誰かにこんな声を聞かれたりしたらまずいと、唇をきつく噛み締め、懸命に声をあげないようにしていると。
「イルカ先生。声、我慢しなくていいよ?ココ、結界張っておいたから」
「な・・・っ、あッ」
いつの間にそんなものを張ったのか、訊ねたいのにカカシの舌先が乳首の先端を擽ってきて声にならない。
ちゅっと肌を吸われて、ビクビクと身体が震える。カカシが触れるたびに、快感が走る。
「ゃ・・・っ」
身体が熱を持ってしまい、カカシの自らのモノをもどかしく擦っている手に、躊躇いがちに腰を押し付けてしまう。
そんなイルカに気づいたのか、カカシが耳元で囁く。
「イルカせんせ、やらしー・・・」
その言葉を否定するように首を振ったイルカは、涙の滲んできた瞳をぎゅっと閉じた。
(誰のせいだと・・・っ)
全てはカカシのせいなのに。
イルカが淫乱であるかのように言うカカシが信じられない。
犬のような表情でイルカの許しを請うカカシは可愛いかったのに。それが今では、まるで盛りのついた犬だ。
イルカの下半身を弄る手が、ズボンを寛げ中に侵入する。
「ゃんッ!」
器用に動くその手がイルカのモノに触れた途端、イルカの口から抑えようのない嬌声が上がった。
そこは既にたくさんの蜜で濡れていて。
「すっごい濡れてる・・・」
ほら、くちゅくちゅ言ってるよ?
そんな恥ずかしい言葉と同時に、わざと音が立つように扱かれて、それを聞いたイルカの顔が羞恥に染まった。
「あぁ・・・。いっぱいいい匂いがしてきた・・・」
すんとカカシが鼻を鳴らすのに、イルカはもう何も言えなくなっていた。