正しい犬のしつけ方 18 酷くはされないだろうと分かっていた。 イルカに憤っていた時ですら、カカシは優しかった。 「あっ、ぁん・・・っ、んぅ・・・っ」 カカシの手に忙しなく触れられて、イルカは感じ入った声を上げた。 自分の気持ちに素直になっただけで、こんなにも感じ方が違うとは思わなかった。 焦ったように口付けてくるカカシに衣服を剥ぎ取られながら、舌を差し出して口付けに応えるイルカはカカシに協力して自ら脱いでいった。 イルカもカカシが欲しかった。 優しいカカシ。 イルカの気持ちがカカシへと向けられるのを、カカシは抱いてしまいたいのを堪えて待ってくれていたのだ。 カカシに触れられると、抵抗なんて殆ど出来なくなるイルカを抱くのは容易かっただろうに。 それでも、カカシは最後までは抱かずに堪えていた。 「余裕ない・・・っ。一回出していい・・・？」 口付けを解いて、向かい合って座るイルカの解いた髪に鼻先を埋めたカカシが、つらそうな声でそう訊ねてくる。 「いい、から・・・。出して、下さい・・・」 そう言って、イルカはカカシの怒張に手を添えた。 初めて触れるカカシの、既に先走りで濡れているソレを数度扱いてあげると、 「ぅ・・・ッ！」 呻いたカカシの先端からすぐに白濁した体液が迸り、イルカの手と腹を濡らした。 ビクビクと震えて遂情したカカシに煽られて、イルカのオスも猛り切る。 「ごめ・・・、ちょっと落ち着いた・・・」 吐き出しきったカカシがハァと大きく溜息を吐き、恥ずかしそうにそう告げてくる。 それにイルカも小さく笑みを返す。 イルカの腹に伸ばされたカカシの手が、そこに吐き出された精をぬるりと拡げる。 そっと押し倒されて、イルカはシーツに身を沈めた。 「ん・・・っ」 手に纏わり付かせた精を、カカシがイルカのオスや秘所へと塗りつける。 ぬるりと滑る手に触れられて、イルカは身体を震わせた。 これから、硬く閉ざした秘所を穿たれると思うと少し怖い。 けれど。 （嬉しい・・・） カカシがイルカの意思を確認するように、イルカの瞳をしっかりと見つめてくれている。 大丈夫？ 続けていい？ イヤじゃない？ カカシの蒼い瞳が、イルカの身体に手を這わせるたびに何度もそう訊ねてくる。不安そうに揺れながら。 熱を持ったイルカの身体から、カカシを発情させる匂いがたくさん出ているだろうに、カカシはそれほど匂いを嗅ごうとはしなかった。 身体だけじゃない。イルカの意思が大切だと、あれほど堪え性の無かったカカシが暴走しないように自分を制御してくれているのが嬉しかった。 快楽に潤む瞳を眇めながら、イルカは口元に浮かべた小さな笑みを絶やさなかった。 拒絶なんて絶対にしない。大丈夫だから。 そんな想いを込めて、イルカはカカシへと手を伸ばした。 「ん・・・っ」 慎ましく閉じている秘所に、カカシの指が精を纏わり付かせながらツプリと入ってきて息を詰める。 少しだけ入れた指をくゆらせてイルカを見つめるカカシが、イルカの前を緩く撫でながらイルカの呼吸を計っている。 「んぁ・・・っ」 感じやすい先端をクルリと撫でられて少しハッと息を吐き出した所で、ぬるりと一気に奥まで入れられた。 異物感はあったが、痛くは無かった。 カカシの手がもたらす快楽を知っている身体は、イルカと違い、拒絶なんて知らない。 受け入れるのが当たり前のようにカカシへと開くイルカの身体は、もうカカシのものになってしまっているのだろう。 ひくつく内部が、カカシの指を逃がさないとでも言うように締め付けてしまっているのが自分でも分かって、イルカは唇を噛んだ。 「噛まないで・・・」 そんなイルカの唇を、カカシが舌先で抉じ開けて口付けてくる。 「ぁふ・・・っ」 「・・・中、凄いよ・・・。指に纏わり付いてくる。それに、凄く熱い・・・」 口付けを解いたカカシが、卑猥な表情で説明を始めてしまい、かぁと羞恥に顔を染めたイルカは、そんなカカシをギッと睨みつけた。 「・・・そんな顔で睨んでも、煽ってるようにしか見えないよ・・・」 小さく苦笑したカカシが、イルカの額にコツンと額を当て、愛おしそうにイルカの瞳を見つめながら、ちゅっ、ちゅっと数度口付けてくる。 そっと目を閉じると、カカシの舌が再度滑り込んできて、荒々しく貪られた。 「んぅ・・・っ、んん・・・っ」 口付けられながら中を探るように指を動かされて、イルカは身体を震わせた。 イルカは、カカシの手はもうイルカの身体に伸ばされることはないのだと、一度絶望を味わっている。 だから。 カカシに触れられて、身体もだが、心も喜んでいた。 心と身体が呼応し、硬く閉ざしていた秘所がじわりじわりと緩み始め、カカシが指を動かすたび、くちゅくちゅと卑猥な音が立ち始めた時だった。 「んぁあッ！」 少し盛り上がった部分をカカシの指が掠めた途端、脳天まで痺れるような快楽がイルカを襲い、目を見張ったイルカは口付けを無理やり解いた。 「見つけた・・・」 カカシが笑う。ニィと卑猥な表情で。 初めて身体に触れられた時にも、この顔を見た。 その時は、恐ろしいとしか思わなかったこの表情に、今回、イルカは欲情した。 まずいと思う暇も無かった。 「あっ、ぅあ・・・ッ！」 イルカの先端からとぷりとぷりと溢れ出した白い精を見て、カカシが目を見張る。 と、すぐに卑猥な笑みを浮かべた。 「指だけでイけちゃうんだ・・・」 「な・・・っ」 恥ずかしい事実を指摘されて、ニヤニヤと笑みを浮かべているカカシを怒鳴りつけようとしたイルカだったが、出来なかった。 「あぅ・・・ッ！ん・・・っ」 カカシによって発見されたイルカの中の恥ずかしい部分を、カカシが指の腹で強く擦り始めたからだ。 おまけに、中途半端に吐精していた前をきつく扱かれて、最後まで吐き出させられた。 さらには、指をもう一本増やされて。 二本の指で突くようにソコを擦られて、イルカは息も絶え絶えに喘いだ。 カカシにされたこれまでの愛撫の中で、それが一番気持ち良かった。 吐き出して少し力を無くしていたイルカの雄が、再度ゆるりと勃ち始める。 与えられる快楽を追い始めたイルカが、カカシの指の動きに合わせて腰を動かす。 もっとカカシが欲しいと思った。 カカシが欲しくて、緩んできた秘所が疼いて仕方がなかった。 快楽に瞳を潤ませ、喘ぎながらカカシを見つめていると、カカシがくっと眉根を寄せ、指を荒々しく引き抜いた。 「挿れていい・・・？」 汗ばむ両脚を抱え上げられ、指を失ってひくつく秘所に熱棒が押し当てられたのを感じたイルカは、聞こえてきたその声に身体をぶるりと震わせ、こくんと頷いた。